シリーズ最高傑作とも名高い『Splinter Cell: Chaos Theory』のディレクターを務めたクリント・ホッキング氏が、現代の高度なライティングエンジンがステルスゲームのプレイ感覚を損ねている可能性に言及しました。光と影の境界が曖昧になることで、プレイヤーが状況を読み取りづらくなっているという指摘です。
ニュース概要

『Splinter Cell: Chaos Theory』のディレクターとして知られるクリント・ホッキング氏が、最新のリアルタイムグローバルイルミネーションなど、写実性を追求した照明表現がステルスゲーム(隠密行動を主軸にしたゲーム)との相性で課題を抱えているとコメントしました。光の散乱や反射が複雑に表現されるほど、どこが明るく、どこが影で、どこが安全でどこが危険かといった「ゲームとしての読みやすさ」が損なわれてしまうという主旨です。明暗をくっきり区切ったかつての表現の方が、プレイヤーにとって判断材料として機能しやすかったというわけですね。
出典: PC Gamer
ハマケンのひとこと
これはステルスゲームを語るうえで非常に本質的な指摘だと思います。『Chaos Theory』のサムは、明るさを示すライトメーターを見ながら、影に潜り込むことそのものがゲームプレイの肝でした。つまり「光と影」がそのままルールとして機能していたわけです。ところが現代のレイトレーシングやグローバルイルミネーションでは、間接光が回り込んで完全な暗闇が消え、影もグラデーション豊かに表現されます。映像としては美しいのですが、「ここに隠れれば見つからない」という明確な線引きが曖昧になってしまうのは事実でしょう。リアリティとゲームデザインの両立は永遠のテーマですが、リメイクが進行中とされる『Splinter Cell』が、見栄えを優先するのか、それとも判読性を保つ思い切った演出を選ぶのか、注目していきたいところです。

