映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のアニメーター経験者たちが立ち上げたスタジオが、スランプに陥ったマンガ家と謎めいた少女の関係を描く心理ビジュアルノベルを発表しました。
ニュース概要

『Tulpa the Unseen Lover』は、創作の壁にぶつかったマンガ家を主人公にした心理ホラー系ビジュアルノベル(テキストと立ち絵で物語を進めるゲームジャンル)です。主人公の前に突如現れる不気味なかわいさを持つアニメ風の少女「Tulpa」は、チベット仏教や神秘思想に由来する概念で、強烈な精神集中によって生み出される実体のない存在を指します。本作はその概念をモチーフに、創作と心理の境界線を探るストーリーを展開するとのこと。開発を手掛けるのは、アカデミー賞受賞作『スパイダーマン:スパイダーバース』のアニメーション制作に携わったスタッフが新たに結成したスタジオです。リリース時期・対応プラットフォームの詳細は現時点では公表されていません。
ハマケンのひとこと
「スパイダーバース出身のアニメーターが作る心理ビジュアルノベル」という組み合わせだけで、かなり期待値が上がります。スパイダーバースはアニメーション表現の革新という点で業界に大きな衝撃を与えた作品でしたが、そのスタッフがゲームというインタラクティブなメディアで何を表現するのかは、純粋に気になるところです。
テーマ面でも興味深い点があります。「創作物が作者に影響を及ぼす」という構造は、日本でも今敏監督の未完のマンガ『OPUS』や映画『パプリカ』などで繰り返し描かれてきたモチーフですが、「Tulpa(タルパ)」という概念を軸にするのは新鮮です。無意識が生み出した存在に追い詰められていく展開は、創作に悩んだことがある人ほど刺さりそうな内容になりそうです。
ビジュアルノベルはテキスト中心のジャンルだけに、アニメーター出身ならではの動きや演出面でどれだけ差別化を図れるかが、本作の個性を左右するポイントになるでしょう。続報に注目していきたいと思います。

