『BioShock』の生みの親として知られるケン・レヴァイン氏が、Valveの新型ハードウェア「Steam Machine」を引き合いに出しつつ、最先端グラフィック技術への過度な投資に疑問を投げかけました。氏が強調するのは、技術スペックよりもアートディレクションこそがゲームの魅力を決めるという考えです。
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PC Gamerの取材に応じたケン・レヴァイン氏は、業界がグラフィック技術の最先端を追い求めることに「収穫逓減(投資に対して得られる成果が次第に小さくなる現象)」が起きていると指摘しました。氏は、Valveが発表したSteam Machineのような中堅クラスのスペックを持つハードが受け入れられている現状を例に挙げ、性能の限界を攻めるよりもアートの力でプレイヤーに訴える方が重要だと語っています。自身が手掛けた『BioShock』が、最新技術ではなく強烈なビジュアル設計と世界観で長く記憶に残っている点も、その主張を裏付ける材料として挙げられています。
出典: PC Gamer
ハマケンのひとこと
レヴァイン氏の指摘は、近年の大作ゲームを取り巻く状況を考えると非常に鋭いものがあります。レイトレーシングや4K、ハイフレームレートへの対応で開発費は年々膨らむ一方、プレイヤーの体感的な「驚き」はかつてのPS2からPS3への移行ほど劇的ではなくなってきました。実際、『BioShock』の海底都市ラプチャーや『HALF-LIFE: ALYX』、最近では『Hollow Knight』のような作品が示しているのは、スペック競争とは別軸の「アートディレクションが効く」という事実です。Steam Machineが性能のピークではなく「ちょうどいい体験」を狙うラインに着地したのも、ハードメーカー側がこの流れを察知している証拠かもしれません。クリエイターの個性と意匠で勝負する作品が、これから再評価される時代が来るのではと個人的にも期待しています。

