クリストファー・ノーラン監督の新作『The Odyssey(オデュッセイア)』が政治的な作品として語られがちな中、海外メディアPolygonが「本当に政治色が強いノーラン作品は別にある」と切り込む論考を公開しました。名指しされたのは、あの人気バットマン映画の最終章です。
ニュース概要

Polygonが公開したコラムでは、話題を集めているノーラン監督の新作『The Odyssey』について「見出しで騒がれているほど政治的な映画ではない」との見方を示しています。その一方で、ダークナイト・トリロジーの完結編『ダークナイト ライジング』こそが監督作の中で最も政治的な色合いが濃く、そしてそれが同作の評価を下げる要因のひとつになっていると論じています。
出典: Polygon
ハマケンのひとこと
『ダークナイト ライジング』は2012年の公開当時、ちょうどウォール街占拠運動(Occupy Wall Street)の余韻が色濃く残っていた時期でもあり、ベインが率いる「持たざる者たちの暴動」の描写が政治的に読まれるのは避けられなかった印象があります。個人的にも、前作『ダークナイト』の完成度が異次元すぎたぶん、ライジングの「革命ごっこ」的な描写がどうにも浮いて見えたのを覚えています。ゲームで言えば、社会風刺を全面に押し出したはずが政治的立場が曖昧になってしまう『Far Cry』シリーズと似た構造の悩みかもしれません。ノーラン監督は物語のスケールを大きくするために社会構造を借りるものの、そこに明確な立場は置かないタイプの作家。だからこそ「政治を扱った瞬間、作品としてはブレる」という今回の指摘は、なかなか鋭いところを突いていると思います。

