「Thomas Was Alone」などで知られるインディー開発者マイク・ビシェルが、吸血鬼テーマの新作「Vampirium: 1997」について、ゲームデザインの核となる哲学を語りました。
ニュース概要

「Thomas Was Alone」「John Wick Hex」などを手がけたBithell Gamesのマイク・ビシェルが、現在開発中の新作「Vampirium: 1997」についてインタビューで詳しく語りました。同作を彼は「im-slim(イム・スリム)」と表現しています。これはイマーシブシム(プレイヤーの自由な行動や環境との相互作用を重視するゲームジャンル)を、意図的にコンパクトな規模で作るというコンセプトです。ゲームを小さく保つことで、「動詞(プレイヤーが取れる行動)」を手軽に追加できるとビシェルは説明しており、大規模なタイトルでは困難なスピーディな設計上の実験が可能になると述べています。タイトルに「1997」が付くことから、90年代後半を舞台にした作品であることが示唆されます。
ハマケンのひとこと
「im-slim」という言葉が非常に面白いと感じました。イマーシブシムというジャンルは「Deus Ex」や「Dishonored」「Prey」のような大作が代表例で、膨大な予算と開発期間を要する印象があります。そこにビシェルが持ち込んだのは「小さくすることで自由になる」という逆転の発想です。
ゲームデザインにおける「動詞」という概念は、要するに「プレイヤーが何をできるか」のリストです。3Dの大規模タイトルでは、一つの新しいアクションを追加すると無数の場面でその整合性を取る必要が生まれ、開発コストが跳ね上がります。しかしスコープを絞ったゲームなら、思いついたアイデアをすばやくプロトタイプして試せる。ビシェルはその「身軽さ」をむしろ武器にしようとしているわけです。
吸血鬼という題材と1997年という時代設定の組み合わせも気になります。90年代のバンパイア文化といえばアン・ライスやテレビドラマ全盛の時代。ノスタルジーとイマーシブシムの手触りが混ざったとき、どんな体験が生まれるのか、続報に期待したいです。

